小説

俺はインディゴ名前はまだない(36)

beans

36

 

大きな穴が空いて数週間が経った頃、ユカとの別れが訪れた。俺はメグが持って家を出ていくようだ。

別れの日、俺はメグの手提げカバンに詰め込まれていた。

 

「ほんまに貰ってしまっていいん? せやけど良い色だからイイ感じの服が作れると思うわ。」

「そうしてくれると嬉しいよ。てかメグのブランド買いに行くと思うから、またユカが持って帰ったりしてね。」

メグは服を解体して違う服に作り替える仕事をするとらしい。俺も解体されるようだ。

寂しさを紛らわすよう話は続く。

「えっとトモ君だったっけ、今度紹介してよ~。彼氏んち、引っ越し落ち着いたら遊びに行くね」

「……せや、言い忘れ取ったな。彼氏ちゃうで、トモってめっちゃ女性やで。」

「……? ……!」

「そうなるわな。たしかにウチが彼氏と別れた後にユカが来てくれたんやもんなぁ。せやけどウチらは」

「私って恋人なの?!」

大きな声で話に割り込むユカ。

「あはは! んなわけ無いやん。ほんと楽しいわぁ、ユカって。」

「えー……。ま、いっか。トモさん、紹介してよ。会ってみたい。」

「うーん、まだ紹介できへんと思ってるねん。トモって真面目な子でさ。すごく賢いから尊敬してんねんけど、何て言うか、今は悩ませてしまいそうやし。」

「……すごい好きなんだね、トモさんのこと。よくわかんないけど、メグ幸せそうで良かったよ。」

「……。ほんま最高やな、ユカって。……行くわな。」

俺を入れたバッグを肩にかけると、涙を見せたくないのかメグは後ろを振り返ることは無かった。

 

 

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