34 俺はマイクの倉庫に運ばれた。そこでマモル君によく似た“日本人”と呼ばれる人間にまじまじと見られたのを最後に、また太陽の光が無い 箱の中での時間が始まった。 なにやら遠くへ運 […]
小説
俺はインディゴ名前はまだない(33)
33 建物の中で 俺にハンガーが付けられた。それから数十ヶ月のあいだ、沢山のパンツと共にラックに掛けられ続けたのだが、工場でも家のクローゼットでも無い空間で過ごす時間は、はじめてのことで興味深 […]
俺はインディゴ名前はまだない(32)
32 ドスンと地面に落とされた衝撃を感じたと思うと、久しぶりの光が俺の周りに差し込んできた。 トランクケースが開いたのだ! のぞき込んで来たのは、真っ白な巻き髪がキラリと輝く女だ […]
俺はインディゴ名前はまだない(31)
31 トランクケースで 人間と触れることの無い時間が始まった。 はじめの数年間は、人間で言う「寂しさ」に似た気持ちだったのだろう。ジップ周辺すべてがポッカリと抜け落 […]
俺はインディゴ名前はまだない(30)
お待たせいたしました。公開が遅くなり申し訳ございません。 いつも読んでくださりありがとうございます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 白いパンツの女が住むよう […]
俺はインディゴ名前はまだない(29)
29 マイクが家に寄りつかずに生きていけたのは、ゆるいカーブを描く茶色の髪をしたキャロルという女の家に寝泊まりしていたからだ。 彼女はマイクよりも 10年ぐらい長く生きてきた風貌だったが、彼に […]
俺はインディゴ名前はまだない(28)
いつも読んで下さりありがとうございます。 更新をお待たせいたしまして 申し訳ございません。 本日 28話 更新いたしました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 人間の着る衣類として […]
俺はインディゴ名前はまだない(27)
27 俺はインディゴ。暗い夜の海のような液体の中をくぐり抜けて、ゆっくりと目を覚ました。 その液体はインディゴ液というらしい。 何度もくぐり抜けるうちに、俺はインディゴとして産声をあげた。 & […]
俺はインディゴ名前はまだない(26)
26 玄関のドアが閉まると、入り込む街灯の光も遮断され、部屋の中はまっ暗になった。 電気を消さずに寝るメグが、今日も帰っていないことがわかる。 同居をはじめたばかりの時に、電気代で揉めることを […]
俺はインディゴ 名前はまだ無い(24)
24 シルバーのパイプ棚に、無造作に畳まれて迎えた朝。 いつもの朝ではあるが、キッチンに立っているのがユカではない。さっきから「うわっ」と太い声と共に、ガタンゴトンと騒がしい。 ユカは目を覚ま […]